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【第2部】不埒なアナタ
久し振りのデートは、2時間のドライブと1時間の食事の、計3時間。
短いといえば、短い。
それでも、格は大いに幸せを感じている。
行き交うヘッドライトや夜景がきれいで、神之倉を独占出来ることが嬉しくて、何より、車内に二人きりでいるとすぐそばを他の車が通り過ぎてゆくのに世界で二人だけのような感覚に陥って陶然とした。
だが、これで満足とは言えなかった。
贅沢だとは思うが、甘さやあたたかさの他に、ときめきやドキドキが欲しいと思うのだ。好きで好きでたまらない気持ちが弾け飛びそうな昂揚に身を浸したい。
格は待つだけでなく、自らそれを得ようとした。食事の後で散歩をしようと言い出したのもそのためだ。
佐伯も他の組員もいない状態で街中を歩くのは無理かもしれないとは思ったが、事務所からさほど遠くない店だったので駄目元で口にしてみた。
だが、意外なことに神之倉はためらうことなく格の求めに応じた。
晩夏の夜の街を二人で歩く。
格より長いコンパスはゆるりと歩を進め、格を急かすことはない。
手はつながなかった。古賀沢の縄張り内で若頭・神之倉士朗のイメージを覆すような真似は出来ないからだ。きっと神之倉は気にしないだろうと格は思ったが、そんな鷹揚さに甘えることを自分に許しはしない。
歩きながら、半歩ほど前をゆく神之倉の肩甲骨の当たりからうなじ、そして顎から耳朶へかけてのラインを見上げる。何故だかそこにとても色気を感じて、斜め後ろから眺めるのがとても好きなのだ。
だが、夏の暑い最中にもスーツを着て涼しげな顔をしている神之倉に対して、熱くヨコシマな思いを抱いているのが申し訳なくなってきて、照れくささと共に目を逸らした。
好きで好きでしょうがない。
こんなに好きでどうしようと、たまに思ったりもする。
神之倉を困らせるようなことはしまいと心に決めているけれど、好きだとか触りたいだとかいう気持ちだけはどうにもならない。
ドキドキしてきた。
格はほてった右頬を左手の甲でこすり、その手で服の胸元を掴んだ。暑いと感じるのは、気温のせいだけではないようだ。
触りたいな、手。
甘えないと決めたのに、それを崩したくなる。
指を絡めた時の温度や、ゴツゴツとした手の甲の感触を思い出し、胸がざわついた。
ここが神之倉の部屋なら、今すぐ飛び掛かってキスをするのに。
そう簡単にさせてくれるかはわかんねえけどさ――神之倉の手強さを脳裏で反芻しながら格は唇を尖らせる。
すると、ふと神之倉が立ち止まった。
「……格」
「え? な、なに?」
あまりにタイミングが良かったので考えていることが読まれたかと焦りながら返事をすると、神之倉は少し首をひねりながら頭上を見上げた。
「士朗…?」
「いや…気のせい――」
空を見上げたまま呟く神之倉の視線の先を、格は訝しげに見遣る。
その額にぽつりと水滴が落ちて来た。
「――じゃないな」
それがなんであるかを認識した神之倉が断言して、格の手を引く。
前後して、大粒の滴がぼたぼたと落ちて来て、それはあっという間に空間を埋め尽くした。
雨だ。
「ちょ…っマジかよ!」
南の島のスコールのような突然の襲来に、格は腕を翳してわずかでも雨を避けようとした。
だが、ゴロゴロという前触れもなく稲妻が閃く空は晴れる気配などまるでなく、凄まじい勢いで降り続く雨から腕だけで身を守るのは不可能だった。
神之倉が着ていた背広を広げて、引き寄せた格をその中に庇う。そして肩を抱くようにして歩き出した。
繁華街から外れた道のため、咄嗟に飛び込める店もない。
やっとなんとか雨を凌げそうなビルの入口の軒下に避難した時には、すでに二人ともずいぶん濡れてしまっていた。
「び…っくりしたー。いきなりなんだもん」
晒された部分の水滴だけでも払おうと手を振りながら格がごちる。神之倉も濡れた前髪をかき上げながら頷いた。
「雨の臭いはしてたんだが、こんな降り方をするとはな…。しばらく歩くくらいは保つと思ってたんだが」
「ほんと? してた?」
「ああ」
そういうものには敏感な質なのだが、まるで気付かなかった。ずいぶん浮かれていたようだ。
それほど長くは降らないだろうと神之倉が言うので、しばらくその場で待つことにした。
時折空を見上げながら、尋ねられるまま新たに通い出した空手道場での稽古の話などをしつつ、20分ほど待ったろうか。
雨粒が次第に小さくなり、稲光も遠くなる。
そして雨はすっかり上がって、あたりに雨上がりの湿気とにおいが満ちた。
「このなりじゃあ車には乗れないな。事務所まで歩くか。5分もあれば着く」
「でも車は? 置いてくのか?」
「誰かに取りにやらせるさ」
そう言って、神之倉は足を踏み出した。
すぐ側に感じていた体温がすっと遠ざかったことに名残惜しさを感じながらも、格はその背中を追った。
「若頭! どうなすったんです、その有様ァ?」
事務所に着いた神之倉を出迎えるなり組員が言った。
この本部にいる若い組員達をまとめている壮年の男で、古参の組員だ。
しかし、自分より年下の神之倉や氷上に対して絶対の信頼を置いており、必ず遜った話し方をする。
「降られた。参ったよ」
「あーあーボウズまで……。連絡いただけりゃあ迎えをやりましたのに」
「降り出したらあっという間でな。連絡できた時にはもうずぶ濡れだった」
「拭くもの持っていきましょうか」
「いや、部屋にあったはずだから大丈夫だ。それより佐伯はいるか?」
歩きながらの問い掛けに組員が頷いた。先ほど戻ったという。
神之倉は車のキーを手渡すと共に店の名前を告げ、佐伯に伝えるよう頼む。
それ以上の詳しい指示はなかったが、組員は万事心得たようで両手で鍵を受け取った。
こういう一を言えば十を理解するといった光景が古賀沢組ではよく見られる。一人二人ならともかく、格が目撃しただけでも十人以上は確実だ。
神之倉の部屋で濡れた服を乾かしている間に、車は事務所の駐車場に回されていることだろう。
「大丈夫か?」
「うん、濡れただけだから」
私室に移動して部屋に入るなり投げ掛けられた問いに格は頷いた。
頭のてっぺんから爪先までしとどに濡れているが、雨を受けてのものなのでそれ以外に困ったところはない。
「これ使いな。上着脱いじまえ」
「ん、ありがと」
神之倉から投げて寄越されたタオルを片手でキャッチして格は礼を返した。
そして言われた通りに袖なしのジップアップシャツを脱いでタンクトップ1枚になる。やはり中まで濡れていたが、1枚分だけでも上半身が軽くなった。
そして、全身で最も濡れている髪をタオルで拭いながら神之倉に目をやる。
ちょうど大雑把に髪を拭い終わったところだった神之倉は、落ちてしまっている前髪を些か乱暴にかき上げて、スーツの上着を脱いだ。それを革のソファに置きかけて、思い直してテーブルに乗せる。
そしてネクタイを外しにかかったが、濡れていたせいか容易には解けず、眉が少し寄って眉間に縦じわが刻まれた。改めて指先に力を込めて下方に引き、結び目の解けたそれを襟から引き抜く。
なにげなく見ただけのつもりだったが目が離せなくなり、格は自分の体を拭うことも忘れて神之倉を見つめた。
格を雨からかばったためか、ワイシャツはすっかり濡れて肌に張り付いている。そのボタンを片手で外しながら、拭いきれずに伝い落ちてきた雫が気になるのか左右に軽く頭を振ると、飛び散った水滴が蛍光灯の明かりを弾いて一瞬だけきらめいた。
そのきらめきの向こう、開いたシャツの襟からのぞく喉元から胸にかけての素肌にどきりとする。
続いて神之倉はさらに下のボタンに指で触れたが、それを外すより先にベルトに手を掛けた。静かな室内にカチャカチャという金属音だけが響いて、格はなんとなく正視できなくなって視線を逸らす。
だが、逸らしきれなかった。袖のボタンを外し、前も全て外し終わった神之倉が、濡れたワイシャツを脱ぐ様が視界の隅に入り、つい視線を戻してしまった。
厚みのある胸や、腹直筋の隆起した腹や、頼り甲斐のある上腕が、シャツを脱ぐ動作に従って滑らかに動く。
濡れた白布が取り去られ、成熟した大人の男の裸身が現れる。
髪の先から頬に、そして首筋へを辿って、鎖骨の窪みを越えて胸へと伝え流れていく名残りの雫に羨望すらおぼえて、格は己の体が妙に熱くなっているのを感じた。
これ以上見ていちゃダメだ!――すごく見たいけど、ダメだ。
今度こそ目を逸らさなくてはと決意した格が顔を背けようとした瞬間、それまで無防備に格の視線を受け続けていた神之倉が格を見た。
驚いて大袈裟に震えた体に何を思ったのか、神之倉は一瞬怪訝そうな顔をしたあと脱いだシャツを手にしたまま格に向かって近付いてくる。
困る。いまそばに来られたら、どうしていいかわからない。
格は困惑したまま顔を俯けた。
「…っ急に下を向くな!」
「え?」
神之倉が声を掛けるのと、俯いた格が声を上げたのは同時だった。
そして、格の抱えていたタオルやシャツ、そして着ていたタンクトップやジーンズにもぽたぽたと水滴が散る。
だが、その雫には不思議なことに色が付いていた。
――赤い…?
「ふが!」
色を認識した刹那、格の口許をしっとりと濡れた白い布が覆う。
「間に合わなかったか――」
「ほへ?」
「熱は……少し熱いな。ずっと体調悪かったのか?」
きょとんとしている格の頭を抱え込むようにして、神之倉の手が格の首筋や頬に触れる。
そして格はやっと己の状態を理解した。
――どえええぇぇ――――ッ!?
出かかった声をかろうじて飲み込み、呆然とする。
そりゃあ好きな人の半裸を見れば誰だって興奮するだろう。それに色気を感じればなおさらだ。
でも、だからって、なにもこんな――
鼻血を噴くほど興奮するなんて。
「すまない、気付かなかった……大丈夫か?」
「…ら……らいじょーふ……」
恥ずかしさと困惑に掻き乱されながらなんとか返事をし、格はどうやって神之倉から離れようかと懸命に考えた。
ついさっきまで飛びつきたいだの触りたいだの思っていたが、いまこの状態で密着しては、自分がどうなるかわからない。
それに、ものすごく、とてつもなく、なんとも言えず――恥ずかしい。
いまだけでいい、せめて服を着てくれ。
格は懇願するように神之倉の顔を見上げた。だがどうやら、神之倉の着ていたワイシャツはいま格の鼻を覆っているようだ。
下を向くと否応なしに神之倉の裸の胸が目に入る。体に目を遣っているより顔を見ているほうが幾分ましな気がした。
だがそんな格の努力はあっさりと打ち砕かれる。
「あまり上を向くな。飲み込むぞ?」
そう言って神之倉は格の肩を抱いてソファと導き、座るように指し示した。
革張りのソファなのに濡れてしまうからと首を横に振ったが、そんなものは構わないと平然と言い返される。
ではせめて…と真新しい乾いたバスタオルを敷き、その上に座った。
覆った白布の上からでいいので鼻を押さえて待っていろと言い置いて、神之倉は格から離れた。
小さく安堵のため息をついて、格は頭を少し前に傾けて背もたれにもたれる。
数分経って戻ってきた神之倉は、さらに何枚かのタオルとティッシュボックス、そして白布の塊を手にしていた。
「どうだ?」
「んー…」
「止まらないようなら詰めてろ」
ティッシュボックスを差し出されて、格は泣きそうな思いで受け取った。
数十分前まで2人きりでムーディ(格比)なデートをしていたのに。
好きだと告げた自分と、それを受け入れてくれた人が半裸で向かい合っているのに。
いま自分は、鼻血を止めるために鼻の穴にティッシュを詰めている。
ひたすら間抜けだ。
かっこわるい。
最悪だ。
「済んだらこれでも着ていろ。他にはスーツと道着しかないから我慢してくれ。濡れたままで気持ち悪いよりましだろう?」
受け取った白布の塊を広げて見ると、それは白いワイシャツだった。
きれいにプレスされているがおろしたての堅さはない。クリーニングから戻ってきた神之倉のものだろう。
「えーと……服脱ぐの?」
「濡れた服の上に着ても仕方ないだろうが」
「……パンツも?」
「濡れてるのか? だったら脱いじまえ」
問い掛ける格にあっさりと返して神之倉はまた部屋の奥へと消えた。
たしかに濡れたままでは気持ち悪い。格は、着ていたタンクトップとジーンズに触れてみてどちらも湿っていることを確認すると、それらを脱いで神之倉が持ってきてくれたタオルで体を拭った。
トランクスは無事だったので履いたままでワイシャツを羽織る。
格の体には大きすぎるそれは、手の指の半ばまでを袖で隠し、膝の上あたりまでを裾で覆ってしまった。
「これって――なんつーか、男の願望っつーか夢っつーか……」
格は首から下を見下ろしながら小さく呟いた。
着替えがないので恋人から借りたシャツを着て「ちょっと大きいね」と可愛らしくはにかむアレだ。
やるべきか? 神之倉はそれを求めているのだろうか?
――いや、ないな。
確信はないが、そんなシチュエーションにことさら燃えるとは思えなかった。
なんというか、予測のつかないマニアックなところがツボのような気がするのだ。
そんな可愛らしさくらいで簡単に欲情してくれるなら苦労はしない。
第一、それが神之倉のツボにはまったとしても、鼻にティッシュを詰めている状態では手を出してくれるか甚だ疑問だ。ムードもなにもあったものじゃない。
「どうした? なに突っ立ってるんだ」
「うん、あの……ごめん、シャツ…」
神之倉を振り返り格は謝った。
借りたこともだが、咄嗟に鼻を押さえてくれたワイシャツに血が付いてしまっていたのだ。
「気にするな。それより横になってろ」
濡れタオルを差し出して、神之倉が格の手を取った。タオルを濡らしにいったついでに乾いたシャツに袖を通しててきたようだが、ボタンは開け放したままだ。
格は素直に従ってソファに腰を下ろし、横になって濡れタオルを鼻の上に乗せる。
ソファの傍らに膝をついた神之倉の左の手のひらが格の額を覆い、体温を確認すると髪に移動した。濡れて乱れた髪を梳くように何度か撫でて、ぽんぽんと柔く叩いて止まった手のひらのあたたかさが心地よい。
目だけで見上げると、小さく笑みを浮かべた神之倉が唇で額に触れた。続いて眉間にキスを落とされる。
髪の生え際をくすぐるように撫ぜる指や乾いた唇が気持ちがよくて、格はうっとりと目を閉じた。
鼻血と共に流れてしまったのか、先ほどの興奮状態が波が引くように治まってしまっている。
いや、熱は違った形で生まれつつあった。
気持ちがよくてたまらない。
もっとその手で触れてほしい。
衝動のまま左手を伸ばすと、それを神之倉の右手が受け止めた。
薄く目を開け、その右手の親指だけをゆるく握って指先で弄ぶ格の手の甲を、残る四指があやすように叩いて包み込む。
「こんなところでそんな風に誘うなよ」
苦笑と共に、神之倉の右手が格の前髪をすくい取って軽く引いた。
「……家でならいいってこと? どんな風になら誘っていいの?」
「そうだなあ」
真っ直ぐに視線を投げて問い掛けると、意外にも神之倉は唇に笑みを湛えたまま考える素振りを見せた。
鼻血を噴いたことも、鼻にティッシュを詰めていることも、さして気にしている風ではない。
だが、神之倉が答えを口にするより早く、部屋のドアをノックする乾いた音が響いた。
神之倉は格の顎下を指先でくすぐり、同時に捉えていた左手の指に口づけて握る手を緩めさせると、なんなく格の手から逃れてドアへと向う。
事務所内なので元より強引に引き止める気はなかったが、その手慣れた引かせ方に感嘆しつつ、広い背中を目で追った。
格は、神之倉がキスをした指先に唇で触れ、目を閉じてゆっくりと息を吐く。
子犬や子猫にするように顎下を優しくくすぐられるのはかなり好きかもしれない。
そして、大人の男の余裕を持って甘くいなされるのも、結構好きだったりするのだ。
「どうした、何かあったか?」
開かれたドアから顔を覗かせた氷上は、神之倉と目が合うなりそう尋ねた。どうやら呼び付けられたらしい。
「悪い」
神之倉は苦笑を返して氷上を招き入れ、格が脱いだ衣服を手に取った。
「すまんがこれを乾かしたいんだ。それか、替わりの服を用意してくれないか? お前ならサイズ――…氷上?」
差し出された血の飛び散った服とソファに横たわる格とを見比べた氷上がついと片眉をつり上げ、神之倉が不思議そうに言葉を止める。
そして、ボタンも留めずにシャツを羽織っただけの神之倉に目をやって、拳で口元を隠して小さくため息をついた。
「……お前な、ちょっと場所考えてやれよ」
「は? 何の話だ?」
「同意の上だろうと、事務所でってのはなあ……」
「だから何を」
「お前が落ちようが襲おうがかまわんが、こういうプレイはどうなんだ? あいつMっ気ねえだろう?」
「……ッ誤解だ馬鹿野郎!」
氷上の視線が血に染まった衣服に注がれてやっと言わんとすることに気付いた神之倉が慌てて否定する。
だが遅かった。
――ごめん、士朗…。
氷上の拳の影のかすかな笑みに気付いてしまった格は、胸の内でそっとあやまった。どうやら自分は、氷上に格好の“神之倉あそび”の材料を与えてしまったようだ。
だが、あえて神之倉の援護射撃はせずに成り行きを見守ることにした。
甘くいなされるのは確かに好きだなのが、悔しくないわけではないのだ。
幸いといっていいのかどうか、氷上が神之倉で“遊ぶ”のは機嫌のいい証拠だ。危険はないはずである。
それに、いつでも余裕をもってどっしりと構えている神之倉の慌てる様はあまり見られないものなので、格は寝たふりをしたままそれを眺めた。
「じゃあ襲われたのか。返り討ちたぁ大人げねえな」
「だから違うって言ってんだろうが」
呆れたようにため息を吐いて神之倉が腕を組む。すると、氷上の表情が強ばり、声を潜めて恐る恐る尋ねてきた。
「え? まさか……お前が食われたのか…?」
「食われてねえよ」
神之倉は氷上の質問の語尾に言葉を重ねる勢いで即答した。
だが、氷上はそれを無視し怖々問い掛ける。
「痛かった? 気持ちよかった?」
「人の話を聞けーっ!!!」
いつか自分もこんな風に神之倉を翻弄してみたいと思いつつ、格はやっと神之倉に加勢するために起き上がった。
悔しいが、今はまだ氷上ほどのスキルも経験値もない。
とりあえず、近いうちに今夜のデートのリベンジ。
−終−
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